すまいるポスト

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スタッフブログ

春になると・・・もう一つの8年

毎年、春が近づいてくると気持ちがさわさわします。

もう8年、まだ8年…もう一つの8年。

3月11日のあの時、それからどんどん被害が明らかになって、そして原発の問題が深刻になって・・・関西にいるとメディアを通しての断片しかわからず、どんどん大きくなる被害と犠牲者の方々、関東の友人達の事を想い、テレビに釘付けになっていました。 当時、同じように過ごした人達も多かったのではないでしょうか。

でも、気持ちがさわさわするのは、あの震災のことだけではなく、ずっと心にささったような、この時期に毎日のように想ってしまう、もう一つの8年があるからだと思います。

私より少しお姉さんのSさんのこと。Sさんは昔の同僚でした。

私は大阪オフィス、彼女は東京オフィス勤務で、担当業務の関係で彼女にはお世話になっていました。退職してドイツに行ってからも、彼女とは時々コンタクトをとっていました。

ある日、彼女から退職を考えていると相談がありました。業務の負担や残業が増え、お母様の介護もあり限界だと。当時彼女は、離れた実家で一人暮らしだったお母様に、認知症の発症を機に東京のサービス付きアパートに入ってもらい、様々な介護サービスを利用していました。
弟は横浜で遠いから私が、と彼女は残業で遅くなっても、そして休日も、毎日お母様の様子を見に行っていました。

彼女は、もう疲れて限界だと思う反面、お給料は悪くないので介護費用を考えるとありがたく、先のことを考えると今辞めるのは不安もあると。 彼女は定年まであと2年だったので、彼女の友人も私も、もうちょっと頑張ってみたらと、気分転換に休暇をとって旅行にでも出かけてみたらと勧めました。 彼女は2週間の休みを取って海外旅行に行き、仕事を続けました。

その後、間もなくして夫を亡くした私は、ドイツで苦手なIT関係の会社に勤め始めました。誰か詳しい人に教えてもらいたいことがありましたが、以前の職場の親しかったIT担当者しか思い浮かばず、しかし、「退職してから連絡をしていないので今更お願いするのは気が引ける」と彼女に言ったら、「そんなこと気にしなくていいわよ、仲間じゃないの!」と言い、すぐその同僚につないでくれました。

当時、毎日を何とかかろうじておくっていた私にとって、「仲間じゃないの!」という彼女の力強い言葉にどれだけ救われたでしょうか。

その後、帰国して何年か経った頃、彼女のお母様がお亡くなりになりました。私は四十九日が終わった頃に、東京の彼女に会いに行きました。

彼女は腰痛がひどくて外出を控えていましたが、気晴らしに散歩したいと日比谷公園を一緒に歩きました。ずいぶん気持ちが楽になった、そしたら腰も楽になったかもと言った彼女に、大きな病院で診てもらったらと話し、それから暫くたって彼女は検査を受けました。
結果は、腰の痛みは肺がんが腰の骨に転移したからで、何もしなければ余命1年と宣告された、ストレスの要因が強いとのことでした。

あの時、彼女が仕事を辞めたいと言った時、そんなに辛かったんだと、気分転換をして仕事を続けるようになんて安易に考えアドバイスしたつもりでいた自分をどれだけ後悔したでしょうか。

その後彼女は病院の治療だけでなく、温泉などの民間療法なども熱心に受けていました。 長期の休職後に退職した彼女に、何度か東京に会いに行きましたが、いつも直前に痛みが出たり体調が悪くなったりで会うことができませんでした。 いつもとても頑張っていて、電話で明るく話す彼女の声を聞くと、愚かな私は「また今度」と思ってしまっていました。

3月11日後に何度か彼女に大丈夫かとメールをしたら、地震の数日前から入院していると返信がありました。入院するほど具合が悪いのに、 「大変な目に合っている方がいらっしゃるのに、私みたいなのが入院していて申し訳ない」と。

そのうちに彼女からの返信はより時間がかかるようになり、やがて「メールを打つのがあまりできない」と返信がありました。

それから数日経って届いた、彼女からと思ったメールは、御礼の一文とお葬式の場所を伝える内容でした。彼女の携帯から弟さんが送ってくれたようです。 その日私は遠方からの深夜の帰宅で携帯もバッテリーが切れ、メールを見たのは翌日でした。

お葬式はその日に東京でした。 私は頭が空白になってしまい、何をしたらいいかもわからず、早朝から予定通りに遠方に出てしまいました。今から直ぐに東京に向かえば間に合うと、どこかで思いながらも、会ったことのない人達ばかりの遠い式場に一人で向かう勇気がありませんでした。 ちゃんとお別れにいかなかった自分を責めながらも、あまりに急な別れにまた向き合うことが怖かった。

ごめんなさいと言ったところで、どんなに後悔しても、今さら何にも変えることができません。ただただ、あなたが痛みから解放されていると思い、いつもの少し高い声で笑いながら、私達を見ていると、きっと軽やかに笑ってくれていると、願い信じ祈るだけです。

すまいるポストのことを話したら、優しいあなたは何と言うでしょうか? 「あら~、いいわね~」って、そうよねえ、私も独り身だからねぇって、いつものようにおっとりとした声で言ってくれたでしょうか。

あなたはもしかしたら短い人生だったと思っているかも?いえ、あなたのことだから案外サバサバしてるような気もしますが、あなたは私を勇気づけてくれました。 あの時のあなたの言葉、優しさ、深い心、私はずっと忘れないでいます。誰かがこんなに救いを感じられるような言葉をかけたこと、それは特別なことなのではと思います。
ありがとう。
あなたの人生はとても意味深いものだった、そしてとても尊い。
長い間、このことをあまり人には話せずにいました。今も後悔と悲しみでいっぱいになってしまいますが、これまでの時間が、尖っていた“ささった棘”をかぎ型の先がいくらか丸くなった石のようなものに変えてくれたように感じます。

あなたは爽やかな風に吹かれ、空を見上げ、気持ちがいいねと大きな自然を楽しんでいるでしょうか。

by ym

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みちもと

みちもと

すまいるポスト運営会社 (株)アートプラス 代表取締役 食べること大好き、かなりどんくさい。一応、女子。すまいるポストでみんなに「愛と笑顔」を届けたい!」と毎日苦手なブログやSNSと格闘中 ^^;
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