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コラム

考えておきたい!老後の生活..④

〇身近なところから考えてみましょう

こんにちは。社会保険労務士・FPの高濱光暢です。

いきなりですが、日曜日の夜テレビで「サザエさん」をみると憂鬱になると話を聞いたことがありませんか?
週末の休みが終わり、次の日が月曜日でお仕事や学校が始まる。それを考えると憂鬱な気持ちになり、夜の「サザエさん」を見終わったころが、そんな気分になるそうです。

ところで「サザエさん」といえば、昭和的な家族の様子が描かれているわけですが(若い人にはピンとこない演出もあるかもしれませんが)、登場人物のうち一家の大黒柱である“波平さん”はいくつだと思われますか?私も子供のころ見ていた感じでは、かなり年配のおじいちゃんというイメージ(現に孫のタラちゃんからはおじいちゃんと呼ばれています)がしていましたが、定説では54歳だそうです。現在の感覚からすると50代なんてまだまだ現役で活躍している人が多いですから、少し驚きますね。

もともとは昭和21年(1946年)から長谷川町子さんが新聞の4コマ漫画の連載として始めたものです。そしてテレビの放映は昭和44年(1969年)からスタートしております。

戦後間もないころ、日本の男性の平均寿命は60歳前後でした。当時の会社勤めの方の定年が50歳代半ばといわれておりましたから、“波平さん”というのは定年前の老後の生活に入ろうかという年代だと考えられます。そうすると今の50歳代とは違っておじいちゃんっぽく描かれるのもやむを得ない気がします。

ここで少し考えたいのが、戦後間もないころの平均寿命は60歳前後で定年が50歳代半ば(1960年代は55歳)ということでしたから、老後の生活といっても数年しかないことがわかります。前回記事(第10回記事)で国民皆年金制度は昭和36年(1961年)に確立されたとお伝えしました。戦後間もないころ(1945年~1950年代)より十数年たっていますが、まだ今ほどの平均寿命ではなく老後の生活期間も短いことが想定されていたのではないでしょうか?そうだとしたら現役世代の保険料で退職世代の数年間の年金を支えるのは、それほど負担ではなかったものと考えられていたのでしょうか。

高濱さん20190114 図1平均寿命png
<平均寿命の推移>

〇想定違いは誰のせい?

しかしその数年後の昭和45年(1970年)ごろにはすでに高齢化率7%を超え、高齢化社会を迎えることになります。欧米諸国でもすでに高齢化社会を迎え問題となっていましたが、日本はこれらの国々に比べても大変なスピードで高齢化が進行していっています。


☆高齢化率とは?
総人口に対して65歳以上の人口が占める割合を高齢化率といいます。
高齢化率が 7% を超えれば「高齢化社会」、高齢化率が 14% を超えれば「高齢社会」、21% を超えれば「超高齢社会」となります。


ここで考えたいのは現在、問題となっている少子高齢化の流れは、40数年ほど前にすでにその端緒が芽生えており、また将来の問題となることは予想できたのではないか?ということです。その時から何らかの対策に乗り出していれば、現在の状況はもっと違っていたかもしれません。とすれば、これは政治の失策なのではないか?と考えることもできます。それともその当時では思いもよらなかった想定外の出来事なのか?皆さんはどう思われますでしょうか。

〇世界に冠たる“年金制度”

国民皆保険、皆年金制度は、日本が世界に誇れる制度といわれることがありますが、優れた年金を評価する2018年度国際ランキングでは、なんと日本の年金制度は29位だそうです。

高濱さん20190114 図1国際年金額
<米コンサルティング会社マーサーによる年金の国際ランキング>

主な理由として「対処すべき重要な弱点があり、改善しなければ有効性や持続性が疑問視される」と評価されています。日本の公的年金は現役世代の保険料を高齢者の年金に充てる「賦課方式」によるため、少子高齢化で支え手が減る一方、長寿化で支給期間が長くなると保険料だけでは賄えなくなることが予想されます(※)。また国の借金や平均寿命の延び、支給開始年齢の関係などから制度の[持続性]が低いと考えられているようです。

※この点、老齢年金の基礎年金部分の財源の2分の1は国庫負担、つまり税金が投入されております。だからすでに保険料だけで賄われているわけではありません。

このような問題に対処するためには、働く人を増やす(保険料の支払者を増やす)、つまり最近話題になっている70歳まで定年を引き上げるなど高齢者の就業の促進が考えられます。また公的年金の支給開始年齢を現在の65歳から70歳に引き上げることも、現在、政府で検討されていますね。

その他、諸外国と比較して日本では公的年金中心の制度や考え方が広まっているため、私的年金や企業年金などにより老後の資金を十分確保するという観点が乏しいと指摘されています。最近でこそ、個人型確定年金「iDeCo」などの登場により、個人で老後の資金を何とかしなければとの機運が高まっているとはいえ、実際の取組は遅れているのではないでしょうか?

国も膨大な借金を抱えてこの先どうなるか?誰もが不安に思うところではあります。公的年金に頼り切るのではなく、高齢期の働き方や私的に準備する年金のあり方も含め、多様な老後の支え方を検討していく必要があるのではないでしょうか?

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高濱 光暢

高濱 光暢

社会保険労務士・FP・相続アドバイザー いつも笑顔で! 高濱社会保険労務士・FP事務所 大阪市東淀川区菅原1-8-4 MAIL : sharousi-nobu@bird.ocn.ne.jp TEL .080-4492-6434 社会保険労務士業として公的年金関連の相談業務、またFP業として個人のライフプランや各種税金や制度に関するアドバイスを行います。特に相続税のことはご相談ください。
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