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a1070_000157_m高濱さん2018Mar

コラム

『高齢社会!どう生きる?』②

何歳になれば高齢者でしょうか?

こんにちは!社労士・FPの高濱光暢です。宜しくお願い致します。

早速ですが、皆さんは「トンチン年金」というものを知っていますか?これは長生きするほど年金として支払われる保険金の受取総額が増える保険制度だそうで、17世紀のイタリア人銀行ロレンツォ・トンティ氏が考案した年金制度から由来しているそうです。

最近、日本でも大手生保などが似た仕組みの保険商品を販売しているようです。

 [トンチン年金]
小口出資を広く募集し大量の資金を集め、出資者の年齢群によって分類し、それぞれの集団ごとに出資に対する利子相当額を毎年支給し、その集団の生存者で分配する仕組みです。死亡時の保険金が契約後一定期間減額されたり、死亡保険金が亡くなる、など死亡時の保険金を抑えることで、生き残っている人で分配する保険金を大きく受け取れる仕組みです。

さて、マスメディア等でも『人生100年時代!どう生きるか?』などと騒がれているように、平均寿命も延び、高齢者となってもさらに生きる長寿化社会となりつつあると言われます。また日本老年学会などは、現在65歳以上と定義されている「高齢者」を75歳以上に見直し、74歳以下の前期高齢者と呼ばれる人たちにはまだまだ社会活動の支え手としてとらえ直すべきではないかと提言しています。

そんな中、生きていくためには、やはりお金の問題は避けて通れませんし、切実なる問題です。公的年金以外にも「トンチン年金」のような長生きリスクに備える保険が必要かもしれませんし、働いて収入を得る道を考える必要があるかもしれません。いずれにしましても、『人生100年時代』に備えた対策が必要ではないか、と考えられます。

働きましょう!シニア世代?

労働力調査の分析によると、
「2017年(1~9月平均)の労働力人口は2000年に比べて①「15~64歳の現役世代・男」が410万人に減り、②「現役世代・女」が35万人増え、③「65歳以上の高齢世代」は男女合わせて325万人増えた」となっています。

2013年4月1日より、企業に65歳までの雇用を確保する措置をとることが義務付けられています。つまり従業員が60歳定年後において、希望する場合には65歳まで継続雇用しなければなりません。これは公的年金の支給開始年齢が原則65歳からに引き上げられたことに伴い、60歳から65歳までの無収入期間を担保することが期待される措置です。
以上の経過により現在では60歳を超えても働くことは、当たり前となってきています。さらに上記の労働力調査③では、65歳以上の高齢世代も働く人が増えてきたということのようです。

ただ高齢者で働く人が増えた背景は、もう一つ上記の労働力調査①にあるとおり、現役世代が少なくなっていることによる労働力人口の減少があります。労働力人口が減っていることから、近年では女性の活躍、障害者雇用の推進そして元気な高齢者にはできるだけ長く働いてもらおうと国を挙げて後押ししてきているという背景があります。

“少し余談になりますが、このことは日本の産業政策上大変な問題で、働き手がいないことにより産業が発展しないあるいは衰退していくことも考えられるからです。現に多くの企業で人手不足となっているとの声を聞きますし、また大きな問題として日本の経済や技術力を支えてきた中小企業では後継ぎがいないことによる廃業が増加していくことが予想されています。現に技術力があり収益力ある中小企業でも後継者がなく事業を承継することが難しいため、廃業を選択する事例もでてきています。このようなことが今後の日本経済にどのような影響をもたらすのでしょうか?”

さらに「年金受給開始、70歳後も選択肢に」というニュースがありました。現在でも原則65歳支給の年金を70歳まで繰り下げして受給する制度はあります。繰り下げ受給する代わり月0.7%の増額、70歳まで繰り下げて最大42%の増額で年金を受け取ることができる制度です。
政府のプロジェクトチームが提言したところによると、現行の上限70歳から支給開始上限年齢を広げて、70歳以降も選択できるようにするとの内容です。加えて、定年を延長しその後も働ける社会にすべきとして、

・会社員や公務員の65歳までを「完全現役」として、定年を65歳に引き上げ、現在の60歳で定年後継続雇用では比較的簡単な業務を担うという仕組みではなく、「知識、経験を活かした新たな職域を創出」する

・定年から70歳までを「ほぼ現役世代」として、働ける社会にすべき

と提言しています。

先ほども紹介した日本老年学会による「高齢者の定義を75歳以上に~」との提言に呼応したかのように年金の支給開始年齢の引き上げの議論が出てきそうですね。
高濱さん170307図1

 ※生涯現役支援も行っています。実は、行政の方でもすでにシニアの方に働いてもらうべく、様々な支援が行われています。
シニアの起業を資金援助などで後押ししたり、65歳以上の方を積極的に雇用する企業には、助成金を支給したりするなど、様々な支援策出てきています。上はハローワークによる「シニア世代のための就職相談窓口」の案内です。
年金を支えてほしい

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所の発表した「日本の世帯数の将来推計」によりますと、「世帯主が65歳以上の高齢世帯は2040年に全世帯の44.2%を占めるようになる。15年の36%から大幅に増えて、半数に迫るようになる。また40年には高齢者世帯の40%が一人暮らしとなる。」

このように推計していけば、年金財政をはじめ社会制度に大きな影響を与えるものと思われます。そのため政府としても高齢者となり(65歳)年金を受給する世代に対して、まだまだ現役として活躍してほしい、そのための制度を順次整えていく方向をしめそうとしているようです。ちょっと本音を言えば、年金を受給する側ではなく、働いて年金保険料を支払う側にいてほしい、そして年金財政をはじめとした社会保障制度を支える側でいてほしいということでしょう。

社会保障の機能強化も必要ですが、税や社会保険料を引き上げて制度の持続性を高めていくことも必要でしょう。また我々の方でもこれまでの国が何とかしてくれるという発想では今後やっていけないと考えられるところ、自助努力といったことも求められるのではないでしょうか。

現役時代から公的年金をはじめ、私的年金も含めた年金等の老後資金を増やす努力は必要であるほか、高齢でも働き続けることができる社会環境の整備が求められるでしょう。働き続けることができる健康づくりも大事だと思います。

長生きすることにより、生じるリスクを意識しなければならない時代となったのでしょうか?

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高濱 光暢

高濱 光暢

社会保険労務士・FP・相続アドバイザー いつも笑顔で! 高濱社会保険労務士・FP事務所 大阪市東淀川区菅原1-8-4 MAIL : sharousi-nobu@bird.ocn.ne.jp TEL .080-4492-6434 社会保険労務士業として公的年金関連の相談業務、またFP業として個人のライフプランや各種税金や制度に関するアドバイスを行います。特に相続税のことはご相談ください。
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