すまいるポスト

高濱さんNo2 メイン画像修正 a0002_005946_m

コラム

公的年金(国民年金、厚生年金)は必要です!②

〇 年金事務所が忙しいです!
こんにちは。社労士・FPの高濱光暢です。今年の夏前のころでしょうか?お客様の要件で、何度か年金事務所に手続に行ってきたのですが、驚いたことにご高齢の相談者であふれかえっていました。聞くところによると「期間短縮」の件でどの年金事務所でも相談者であふれかえっているそうで、わざわざ「期間短縮」ブースを設けて対応している年金事務所もあるそうです。
そもそも「期間短縮」とは何でしょう?皆さんご存知でしょうか?

これまでは、老齢年金を受け取るためには、保険料納付済期間(国民年金)と国民年金の保険料免除期間などを合算した受給資格期間※が原則として25年以上必要でした。
平成29年8月1日から(支払期月は10月)は、受給資格期間が10年以上あれば老齢年金を受け取ることができるようになりました(資料1)。マスコミなどで「10年年金」と呼ばれているもので、加入期間が10年以上あるが25年には満たずに年金をもらえずにいた対象者が約64万人となるそうです。
改正の趣旨は、現在無年金である高齢者に対しても、改正後の受給資格期間を満たす場合には、納付済期間等に応じた年金が支給されることにより老後の収入を確保すること。また25年未満の場合でも納付した保険料を極力給付に結び付けることです。

※受給資格期間とは?
・国民年金の保険料を納めた期間や免除された期間
・サラリーマンの期間(船員保険を含む厚生年金保険や共済組合等の加入期間)
・年金制度に加入していなくても資格期間に加えることができる期間
(「カラ期間」と呼ばれる合算対象期間)

注1 年金加入期間が10年に満たない方でもカラ期間があることにより10年以上となることがあります。可能性がある方はぜひ年金事務所等に相談に行ってください。

注2 年金の額は納付した期間に応じて決まります。40年間保険料を納付された方は、満額を受け取れます
(10年間の納付では、受け取る年金額は概ねその4分の1になります。)

 日本の公的年金制度は、老後の暮らしをはじめ事故などで障害を負ったときや、一家の働き手が亡くなったときに、みんなで暮らしを支えあうという社会保険の考え方で作られた仕組みです。
原則として、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての方に国民年金への加入義務があり保険料を支払います(国民皆年金)。
~厚生労働省・日本年金機構の資料「知っておきたい年金のはなし」より~

高濱さんNo2 図1資料1.「厚生労働省 年金ニュース」

〇 10年年金は朗報か?
私は、行政等の無料相談員をさせていただくことがあるのですが、高齢者の相談で「無年金で収入がない」「資格はあっても低年金で生活できない」などという内容は結構あります。その場合の回答は、「少しでも働いて収入の道を探る」「家族親族(子どもなど)で頼れる人がいないか?」「他に公的年金の可能性はないか?」など一様ではありませんが、最終的には「生活保護の検討」ということになってしまいます。ただ「生活保護」には抵抗を感じる方もおられるので非常に悩むところではあります。厚生労働省の資料によりますと、65歳以上の方で、主な収入源は公的年金と答えている方が約7割にのぼり公的年金だけで生活している方も6割になります。高齢者の生活費の主な財源は公的年金の老齢年金であるようです。やはり公的年金制度が重要な役割を果たしているものと考えられます。(資料2)
また最近は元気なお年寄りも多くまだまだ現役で働いて収入を得ている方もおられます。ただ、けがや病気をしたことにより動けなくなって、働いて得られていた収入が大きく減ってしまい、いざ年金に頼ろうと思っても資格期間がないまたは短く低年金でその後の生活に苦労される方も結構いらっしゃいます。

以上のような背景から、これまで25年以上必要だった資格期間が10年に短縮されるわけですから、「自分も老齢年金がもらえるのでは?」「収入が若干でも増えるのでは?」など対象となる方にとっては、とても切実な問題なのだと思います。
高濱さんNo2 図2
(資料2.「知っておきたい年金のはなし」より)

 老齢年金以外は?
今回、資格期間が10年に短縮されたのは老齢年金のみです。障害年金や遺族年金の納付要件に変更はありませんのでご注意ください。
 受給資格期間が短縮されたといっても、公的年金は社会保障制度の1種ですから原則20歳から60歳までは保険料を支払う義務があることは変わりません。ですから保険料は40年間納付しなければならないことは大原則であり、「10年間保険料を納めればよい」というわけではありません。また「無年金」は解消できても10年だけですと「低年金」となってしまうので、誤解なきよう注意しましょう。

実際に高齢者の相談にのっている経験からすると「10年年金」により少しでも老齢年金により収入が生ずる方が増えるなら喜ばしいことと思います。相談に来られる方で切羽詰まっている方も少なからずおられますから。

〇 知ってほしい!
「そんなん知らんかったわ」「もっと早く知ってたら」
公的年金制度に限らないですが、相談に来られた方によく言われることです。とりわけ公的年金制度は、制度が複雑で毎年改正がなされるため国民にとって非常にわかりにくくなっています。また保険料負担も大きいことから若い時にはきちんと払っていなかったということもあります。しかし自分が「高齢となった」「障害をおった」「一家の大黒柱が亡くなった」ときになってはじめて、困ることになります。
「ちゃんと保険料を払っておけばよかった」「保険料の免除申請を行っておけばよかった」
(※その方の生活状況により保険料の免除をすることもできます)
知らなかったがゆえに生活が立ち行かなる、人生がおかしくなる、といったことがないように皆さんも制度をよく理解して活用されることを期待します。

さて公的年金制度が重要だということを、具体的事例を交えてお話してきましたが、昨今ニュースなどでも「年金財政が悪い」「将来若い人は年金をもらえない」、などと取り上げられることがあります。そのため将来に不安をいだき、国民年金の保険料を払わないなどという人もいるようです。私もたくさんの方から「公的年金って何の役にたつん?」「年金なんてどうせもらわれへんやろ?」と言われます。それは本当でしょうか?次回は「公的年金制度は大丈夫か?」というお話をしていきたいと思います。

 国民年金の保険料納付率はだいたい6割くらいといわれています。もちろん事情により払えない人も多くいますが、公的年金制度への不信感により払わない人もおり、マスコミなどでも批判的に報じられるところであります。払えない場合は保険料の免除申請もできますので是非関心をもっていただきたいです。
The following two tabs change content below.
高濱 光暢

高濱 光暢

社会保険労務士・FP・相続アドバイザー いつも笑顔で! 高濱社会保険労務士・FP事務所 大阪市東淀川区菅原1-8-4 MAIL : sharousi-nobu@bird.ocn.ne.jp TEL .080-4492-6434 社会保険労務士業として公的年金関連の相談業務、またFP業として個人のライフプランや各種税金や制度に関するアドバイスを行います。特に相続税のことはご相談ください。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. a0001_018035_m 高濱さんNo.4メイン画像

    コラム

    高齢社会!どう生きる?④

    介護費用 使いすぎ!こんにちは。社労士・FPの高濱光暢です。今回は…

  2. untitled

    コラム

    親を見送ること ②

    こんにちは、ライターの“ほき”です。前回は、私の両親のお葬式の…

  3. FullSizeRender

    コラム

    介護、看取り・・・今も残る胸の痛み (1)

    はじめまして。ライターの“ほき”です。 今回が初めての寄稿です。…

  4. a0002_009680_m 鈴木さん候補No3

    コラム

    神道の葬儀① 遷霊祭並びに通夜祭

    神道の葬儀 遷霊祭並びに通夜祭 神道のお葬式=神葬祭とは?神道…

  5. 高濱さん20180920記事メイン PAK86_inakanonatu_TP_V

    コラム

    考えておきたい!老後の生活…②

    少し大きな視点で考えてみましたこんにちは。社会保険労務士・FPの高…

  6. a1070_000157_m高濱さん2018Mar

    コラム

    『高齢社会!どう生きる?』②

    何歳になれば高齢者でしょうか?こんにちは!社労士・FPの高濱光暢で…

最近の記事

  1. 高濱さん記事メイン画像2090114 a0002_005956_m
  2. 高濱さん20181023メイン a0960_003831_m
  3. つのさん20181019 記事メイン a0002_000162_m
  4. ym20181008 黒電話 a1380_000344_m
  5. 高濱さん20180920記事メイン PAK86_inakanonatu_TP_V

特集記事

  1. 登録されている記事はございません。
PAGE TOP