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コラム

高齢化社会・・・!?

最近よく『高齢化社会』という言葉を耳にしますが、本当にそうなのでしょうか?

総人口に対して65歳以上の高齢者人口が占める割合を高齢化率というらしいのですが、世界保健機構(WHO)や国連の定義によると、その高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」、21%を超えた社会を「超高齢社会」とされています。

では、日本の現状はどうなのでしょうか?

内閣府が発表した平成28年版高齢社会白書によると、日本の高齢化率は26.7%であり、日本はもはや「高齢化社会」ではなく、「超高齢社会」に突入してしまっているのです。また、同白書によると、今後も高齢化率は上昇を続けると推計されています。社会の高齢化が進むと、認知症等により第三者の支援が必要となる高齢者数も当然増加することになります。

そこで、そのような高齢者等の権利を擁護するための制度として介護保険制度と成年後見制度の活用が期待されています。

まず介護保険制度とは、介護が必要になった高齢者やそのご家族を社会全体で支えていく制度です。この制度の導入により、従来の行政による「措置」から利用者と介護サービス事業者間での「契約」という形へと移行しました。これにより利用者の意思決定を尊重できるようになりました。ただ、「契約」という形へと移行したため、判断能力が十分でないご本人との「契約」については、その本人の意思を尊重するために成年後見制度(成年後見制度とは、判断能力が十分でない方の日常生活を、本人の意思を最大限尊重し支援していく制度です)を利用することになりました。両制度は、平成12年4月よりスタートし、高齢者の生活を支える車の両輪と言われています。

ただ、最高裁判所事務総局家庭局が平成29年3月に発表した平成28年12月末日時点における成年後見制度(成年後見、保佐、補助、任意後見)の利用者数203,551人(前年は191,335人)であり、対前年比約6.4%の増加ではありますが、成年後見制度を必要とする人からするとその利用率は約3%にも満たないそうです。 そこで、成年後見制度の利用を促進するため、『成年後見制度の利用の促進に関する法律』が平成28年4月15日に公布、同年5月13日に施行されましたが、そもそも成年後見制度とはどのような制度なのでしょうか?

成年後見制度とは、判断能力が十分でない方の日常生活を、本人の意思を最大限尊重し支援していく制度と前述いたしました。判断能力が低下してくると、悪徳商法の被害に遭ってしまう危険性もありますし、財産管理や介護施設を利用するための契約なども自分ですることが困難になってきます。このような方々に代わって財産管理を行い、また契約を行うことなどで本人の生活を支える必要があるわけです。この成年後見制度には、本人の判断能力が不十分になった場合に、本人の判断能力の程度に応じて家庭裁判所の審判により後見人、保佐人あるいは補助人が決定され開始する『法定後見制度』と本人の判断能力が十分あるうちに、将来判断能力が不十分な状態になることに備えて、あらかじめ後見人の候補者を本人が選任し、どのような支援をしてもらうかを本人と後見人候補者との契約で定めておく『任意後見制度』の大きく分けて二つあります。

では、この二つの制度の違いはどこにあるのでしょうか?

まず、『法定後見制度』の場合、本人、配偶者、四親等内の親族、市区町村長等が本人の住所地の家庭裁判所に対して、後見等開始の申し立てを行い、家庭裁判所が後見人等を選任することで始まります。ただ、制度の利用段階で本人の判断能力が既に低下しているので、本人が申し立てを行うことはあまりありません。また、後見人等候補者を申立人が選任して申し立てをする場合もありますが、後見人等候補者に記載した人が必ず後見人等に選任されるとは限りません。身内の者が後見人等になるつもりであっても、本人の財産状況等によっては弁護士や司法書士等の専門職が選任されることもあります。決定するのはあくまで家庭裁判所なのです。

これに対して、『任意後見制度』の場合、将来本人の判断能力が不十分な状態になることに備えてあらかじめ締結する契約ですので、本人の判断能力は十分あります。といいますか、契約である以上、本人の判断能力があることが前提です。また、契約ですので、自分が信頼する人と契約をすることで、その方に将来確実に後見人になってもらうことも可能です。そういう意味では法定後見より任意後見の方が本人の意思が反映されやすいのかもしれません。

超高齢社会に突入した我が国において、高齢者の支援は社会の課題ですが、その支援の一つとして成年後見制度のさわりの部分について簡単に説明させていただきましたが、少しでも成年後見制度の利用が進めばと思います。

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小西 秀明

小西 秀明

行政書士 (一般社団法人コスモス成年後見サポートセンター会員) 行政書士小西事務所 大阪市浪速区桜川1丁目1番28号三宝ビル MAIL: office-konishi@earth.ocn.ne.jp 遺言書・遺産分割協議書作成、成年後見制度、各種許認可申請のお手伝いのほか、平野中小企業労務協会(労働保険事務組合)も併設しており、事業主等の労災特別加入にも対応しています。
小西 秀明

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