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コラム

考えておきたい!老後の生活…②

少し大きな視点で考えてみました
こんにちは。社会保険労務士・FPの高濱光暢です。

この数か月の間の地震、台風、大雨等の自然災害による影響はいかがで知ったでしょうか?私の周りでも台風により家の屋根が破損した、塀が倒れたなどといった損害があったようです。被害にあわれた方にはお悔やみ申し上げます。また一日も早く復興がすすみ日常生活がおくれるようになることをご祈念申し上げます。

最近は、実際に大きな損害が出るほどの自然災害が相次いでおります。大きな被害があったことが報道される一方、被災者等が助け合いの精神を発揮してこの困難に立ち向かおうとされていることも大変に素晴らしいことだと思います。また日本でも阪神淡路大震災以降、ボランティア活動の活発化により全国のたくさんの人の手で支えあいが広まっているようでうれしくなりますね。

今回、少し考えてみたいことは、資産※を有するということです。

数年前のことですが、『21世紀の資本』(トマ・ピケティ著)という本が話題になったことをお覚えでしょうか?700ページを超える経済書で6千円という価格にもかかわらず、日本でも十数万部売れたそうです。

さて、内容は

r > g (資本収益率) > (経済成長率)

という単純化された公式で表現されますが、通常の経済活動から得られる利益(労働から得る賃金など)よりも、資産を持っている人がその資産から生み出される利益の方が大きくなるというのが資本主義というものである。つまり資産を持っている人はどんどん富み、持たざる人は富を得られず格差は拡大していく。それはよくないので資産税の徴収を強化して格差拡大を食い止めるべき、というようなことが書いています。

かなり大雑把な解説で申し訳ないです。実は私も結局、最後まで読めていないのですが…

この本の結論には賛否両論あるとは思いますが、著者であるトマ・ピケティ氏は、過去200年ほど前の1800年代から20か国以上のデータを集計し丹念に調べて論を展開しています。そして資産等を持っている人の方が、富が増大し格差が広がる、ということを分析して見せました。

世界を見回してみても格差への不満が噴出し、ポピュリズム的な政治家が政権をとるなど、確かにピケティ氏の主張は、多くの(世界の)人々の実感に訴えるものがあったのだと思います。感覚としては、資産等を有している人はそれをもとにますます富み、一方資産等を持たない人はますますと貧しくなる。その結果どんどん格差は広がっている、のではないか?

※資産といっても株式のような金融資産、ノウハウのような無形資産など色々種類はあると思いますが、ここでは主に土地など不動産を想定して議論します。

持つものがいい?持たざるものがいい?

「2019年までに不動産市況はピークを迎えると考える人が約7割を占めている」

デベロッパー(マンションなどの開発事業者)や機関投資家など不動産の専門家を対象に調査したところ、このような結果となったようです。

ただ全国一律に公示価格や不動産価格が減少するのではなく、地域により差が出てくるのではないかと言われています。今後も人口が増えると見込まれる東京とその周辺は、引き続き地価の上昇が見込めるが、それ以外の人口が減少していくことが予想される地域では地価が下落すると考えられます。

高濱さん20180920 図1 人口グラフ

さて、少し話は変わりますが、私の実家は資産をかなり持っていることが、最近判明しました。一つは母方の①実家(土地と建物)で今は誰も住んでおらず、固定資産税等を支払ってとりあえず所有しているようです(第8回記事参照)。そして最近、数年前に亡くなった大叔母の土地があることが判明しその相続人が私の母親であるとのことです。この②土地には建物があり、いわゆる空き家となって放置されていたようで、かなりひどい状態のようでした。「危ないので撤去するなどしてほしい」との連絡がその相続土地のある市役所からあり、判明したしだいです。

このような資産がありますが、この二つとも先の人口減少地域(とても田舎です)にあたるため、もし売ったとしていくらになるのでしょうか?いかほどの価値があるのでしょうか?また②相続土地については廃屋の撤去のための費用もかかりそうです。

今後、私を含めた親族では住む人は見当たりそうにないですし、所有していても固定資産税や維持費等はかかりますから、処分する方向で検討しています。しかし処分するにもお金や労力はかかりますから、誰がどう負担するかなど検討中です。

資産をもっていても状況によっては“負”の資産にもなりかねず、持たない方がいいんじゃないかと思ってしまいますね。

住みやすい?安心安全?

前記の①母親の実家の土地建物と②相続土地(廃屋あり)へは現状を確認するためもあり現地へ足を運びました。確かに田舎なので自然も豊かに残っており穏やかな地域でいいところだと思いました。ただ生活していくとなるとどうでしょう?住んでいる人もまばらで、近辺にはお店がない状況です。もちろん車でいけば大型のスーパー等はありますが、歩いて行けるところにはないのは、少々つらいと思いました。特に高齢者が住もうとなると歩いて行けるところにお店や公共施設などがないとしんどいのではないかと思いました。最近では「買い物難民」としてクローズアップされる問題でもあります。

また最近特に、自然災害(地震、台風など)による影響や被害を受ける可能性、そしてその後の復旧がスムーズにいくのかどうか?など。また近くに公共施設がなければ避難はどこにすればいいのか?周辺に住んでいる人が少なければいざという時に助け合いができるのかどうか?なども考えておく必要があると思います。

高濱さん20180920 図2 地域の不便.png

“資産を持っている人の方が富が増大する”
データや分析によればその通りなのでしょうが、もっと個別的、具体的な状況など考慮すれば、単純ではない気がしますね。

人口減少による不動産市況の変動(予想)から見えてくるのは、その資産がいくらになるか?などの金銭価値だけでなく、住みやすさや安心安全かなどもその地域の土地などの価値形成に影響をあたえるということではないでしょうか。

老後の生活を考えるにあたって、いくらの資産があるかないかだけでなく、住んでいる地域や環境、買い物にいけるところがあるか?住みやすいか、周りに知り合いがいる仲間がいる、といった目に見えない“価値”も含めて考えていく必要があるのではないかと思います。

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高濱 光暢

高濱 光暢

社会保険労務士・FP・相続アドバイザー いつも笑顔で! 高濱社会保険労務士・FP事務所 大阪市東淀川区菅原1-8-4 MAIL : sharousi-nobu@bird.ocn.ne.jp TEL .080-4492-6434 社会保険労務士業として公的年金関連の相談業務、またFP業として個人のライフプランや各種税金や制度に関するアドバイスを行います。特に相続税のことはご相談ください。
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