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コラム

考えておきたい!老後の生活…①

「空き家」が増えています。

こんにちは。社会保険労務士・FPの高濱光暢です。
最近、事務所近くのわりと大きな邸宅が取り壊され、今は更地にされています。近所の方のお話によると、昔は資産家だった方が住んでいて、たいそう人の出入りも多く、活気のあるお宅だったようですが、ここ4~5年ほどはその資産家の方が亡くなり、継ぐ人もいないようでそのまま放置の状態が続いていたようです。誰も管理しないのでだんだんごみ屋敷と化してきて、結局行政の方からその資産家の家族に連絡が入りごみ撤去・邸宅の取り壊しと相成ったようです。

私もちょうど2~3年前にこの近くの事務所にきて、大きな邸宅のごみ屋敷があることにビックリした覚えがあります。現在、更地となったこの土地は誰の所有か?今後どのように利用されるか?はわかりませんが、少し寂しいお話です。

空き家は年々増加し、2013年の段階では13.5%で7軒に1軒が空き家ということになります。この傾向が続けば2028年には、約30%が空き家になると言われています。

高濱さんNo8 空き家グラフ

現在、五輪を控えた東京の都心部など一部では不動産市場は活況ですが、国土交通省の資料によると、地価指数は2011年を100とした場合、2016年は93.4%に低下しているようです。

また、国立社会保障・人口問題研究所が公表したデータ(2018年3月30日)によりますと、2030年には日本の全都道府県で人口が減少し、2045年までに総人口は1億0642万人になると予想し、今後30年で2000万人以上減少するとしています。特に、都市部より地方で3割減となる地域が多くなると見込まれています。

同時に、高齢化も確実に進み、65歳以上の老年人口比率はほぼ4割となることが見込まれます。こうした人口減少・超高齢化社会は、不動産市場にも影響を及ぼしており、地方部を中心に、空き家問題、資産価値の減少問題、所有者不明土地問題が深刻化することにつながっていると言えます。

夢のマイホーム!今は“負”動産?

日本では戦後長い間、「住宅は資産」「頑張って、夢のマイホームを!」として持ち家をもつことが推奨されてきました。また戦後の復興期から高度経済成長期を経てバブル期に至るまで、地価は40年以上も右肩上がりの上昇を続けたため、土地はただ所有していれば永遠に値上がりし続けるだろうという、いわゆる「土地神話」が生まれ、長く信じられてきました。

しかし、1990年代初頭の不動産バブル崩壊以降、不動産価格は直近まで下落し続け、さらに人口減少等に起因する空き家問題も重なり、多くの不動産は一転して「資産」ではなく「負動産」というマイナスイメージでとらえられることになりました。

65歳以上の高齢者世帯の持ち家率は約8割となっており全世帯平均の約6割を大幅に上回ります。もちろん持ち家があることは、住むところがあるということで良いことではありますが、今後は考えていくべき問題点も孕んでいます。

高濱さんNo8 持ち家率グラフ

都心の一等地では、オフィス空き室率が2%といったことが報道されたりしますが、バブル時代やその後に購入したマンションや一戸建ての価格低下が起こっているといわれています。全国的に見れば7軒に1軒が空き家状態で、全国の空き家率は13.5%(2013年時点)に達しており、空き家やアパートなどの空き室が増えている原因は、地方の過疎化であり、いずれ都市部にも波及してくるものと考えられます。

家を持つのもお金がかかりますから

私の母親は、九州の出身で大阪にでてきました。その後大阪で仕事をし結婚出産などをへて、現在も大阪に暮らしております。数年前に母親の両親(私からは、祖父祖母にあたる)は亡くなりましたが、九州に実家は残されました。私の母親とその兄弟姉妹たちも、今はみな九州の実家を離れて暮らしているため、実家には当然誰も住んでいません。ただ母親をはじめ、兄弟姉妹たちは自分が生まれ育った実家なので、簡単に処分することもできず、現在もみんなで維持費や固定資産税など相当の負担をして実家を残しております。

実際に住まなくても家など保有していれば、固定資産税や維持管理費というのはかかってきます。私の母親のケースでは、実家を処分したいわけではなく、やはり自分の故郷を残したいという思い入れがあるため、費用負担等も許容できるのでしょう。しかし自分が望んだわけではないが相続等により親の家を保有することになり、ご自身の生活にかかる費用に加えて、これらの費用がかかるのは嫌ですよね。まして若い世代になるほど、現役時にはお金がかかりますから、負担感は増します。

さらにマンションや一戸建ての価格低下の減少により、資産価値が下がると、お金を払って修繕したり、(相続するにあたって)相続登記する動機がなくなり放置されやすくなります。冒頭の例のようにごみ屋敷と化してしまうとますます価値は下がりますね。

こうした放置が何十年も続くと相続人(相続人となる可能性がある人)が増え、相続や売却がさらに難しくなり、こうした物件が増えることで、防災や街づくりにも支障をきたし、中山間地で鳥獣被害や森林機能の低下を招いたりします。

少し大げさかもしれませんが、日本全体でこのようなことが起きれば、日本の国土全体が荒廃していくのではないかと危惧されます。

2025年には「団塊の世代」と言われる方々が75歳以上の後期高齢者となります。医療保険の分野では、医療費の大幅増が予想されるため大きな問題とされていますが、家や土地等の「大相続時代」がやってくるとも言われています。上記の議論でも明らかなようにスムーズな相続が進むことが望めない背景があるところ、空き家・空地問題、所有者不明土地問題がさらに深刻化する恐れもあります。

政府としても「空き家対策特別措置法」の施行や「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案」提出等による対策、「空き家の固定資産税」や「空き家の譲渡の優遇税制」の税制改正など対策は出てきていますが、各個人としても家や土地などの不動産をどうするか?相続する可能性のある不動産等がある場合はどうするか?など、今後の人口減となる社会を見つめて、そのあり方を考えていく必要があるのではないでしょうか?

夏休み、お盆に帰省をされる予定がある方は、そんなことを一度考えてはいかがでしょう。

 

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高濱 光暢

高濱 光暢

社会保険労務士・FP・相続アドバイザー いつも笑顔で! 高濱社会保険労務士・FP事務所 大阪市東淀川区菅原1-8-4 MAIL : sharousi-nobu@bird.ocn.ne.jp TEL .080-4492-6434 社会保険労務士業として公的年金関連の相談業務、またFP業として個人のライフプランや各種税金や制度に関するアドバイスを行います。特に相続税のことはご相談ください。
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