すまいるポスト

高濱さん171214図4老齢厚生年金

コラム

『高齢社会!どう生きる?』①

◦年金事務所は忙しい!

こんにちは、社労士・FPの高濱光暢です。宜しくお願い致します。

時の流れは早いもので、このごろは年末調整で忙しくなっております。今年を少し振り返れば、夏を過ぎた頃からでしょうか、高齢者の方から『公的年金の受給者の扶養控除等申告書』について、「これどうするの?」「書いてくれ!」とよくお問合せいただきました。

『なぜこの時期に?』『書くのはそんなに難しくないと思うが…』

高濱さん171214図1用紙

預かった申告書等を確認すると、確かに前年までのハガキ形式ではなくA4の用紙数枚が入っており私も読むのに時間がかかりました。だから皆さんが「確認して記載していくのは大変だろうなあ?」と思いました。案の定、年金事務所の窓口(※1)や電話案内はパンク状態のようで、私のような小さな事務所にも問い合わせがくる始末となったようです。

なぜこんなに大変になったのでしょうか?これは『扶養控除等申告書』の用紙にマイナンバーの記載欄が追加されたこと等により、用紙の記入形式が大幅に変わったからです。またご存知の方もおられると思いますが、配偶者控除と配偶者特別控除が見直され(給与収入で150万円などの要件変更※2)、ご本人及び扶養者等の記載内容も大きくかわり、確認する点も増えたためと思われます。

日本年金機構の説明によりますと、
「扶養親族等の個人番号(マイナンバー)等新たな記載項目が増えたこと、および昨年から扶養親族等の氏名等も登録することになったことから、ハガキ形式のままでは、記入いただく際に記入するスペースが確保できないため、「扶養親族等申告書」のサイズを変更しております。」

「税制改正により、平成29年分の税務署提出用の公的年金等の受給者の源泉徴収票(平成30年1月送付)に受給者および扶養親族等の個人番号(マイナンバー)の記載が必要となりました。今回、「平成30年分扶養親族等申告書」と同時にお送りする「個人番号申出書(平成29年分扶養親族等について)」または「平成29年分扶養親族等申告書(訂正用)」により、29年分扶養親族等申告書に係る個人番号(マイナンバー)を申出いただくこととしています。扶養親族等の氏名、個人番号の登録に係る作業期間を確保するため、送付時期を平成29年8月に前倒ししました。」

「税制改正により控除対象となる配偶者の要件が変更となりました。昨年の配偶者の所得状況等から変更がない場合であっても、平成29年分申告では控除対象でない配偶者が平成30年分の申告では控除対象となる場合や、平成29年分申告では控除対象であった配偶者が平成30年分の申告では控除対象とならない場合があります。そのため、本年については昨年の申告内容から「変更あり」「変更なし」を選択する欄は設けず、「扶養親族等申告書」の提出者には、すべての申告内容の記載をお願いしています。」(日本年金機構HPより)

(※1)なお現在、年金事務所や街角の年金相談センターでの相談等は予約制となってきていますので注意してください。
高濱さん171214図2連絡先

(※2)以下のような改正(抜粋)がなされました。
高濱さん171214図1用紙

◦年金控除 高所得者は縮小される?

来年に向けて、政府でも税制改正大綱策定に関する議論がスタートしました。早速、新聞・報道でも取り上げられていますが、国民の負担増、特に高所得者の負担増になりそうな改正案が議論されているようです。

給与と年金の両方をもらっている人は「公的年金控除」を縮小させるとの案がでているようです。老後の年金は原則65歳から支給されるのですが、特別に60歳代前半から老齢厚生年金をもらえる方がいます(※3)。一方、企業には65歳までの雇用を義務付けられた(年金が支給される65歳まで)こともあり、60~64歳男性で就業している人の割合は77.1%に達するそうです(『平成28年版高齢社会白書』より)。

(※3)60歳から65歳になるまでの老齢厚生年金
高濱さん171214図4老齢厚生年金

「特別支給の老齢厚生年金」の受給資格
(60歳から65歳になるまでの老齢厚生年金)「特別支給の老齢厚生年金」を受け取るためには、以下のすべての条件を満たしていることが必要です。①  老齢基礎年金を受け取るために必要な資格期間を満たしていること。
②  厚生年金保険の加入期間(共済組合加入分も含む※)が1年以上あること。
③  受給開始年齢に達していること。
※過去に共済組合等に加入していた方は、その期間を含めて1年以上あれば特別支給の老齢厚生年金の受給資格を満たします。

つまり年金をもらいながら働く人が増えているということですが、これらの人は給与所得控除と、公的年金や企業年金に対する控除である「公的年金控除」の、二重の適用が受けられます。特に「公的年金控除」は「高所得層に手厚すぎる」との批判もあり、また「生活が苦しくなる人を支援する」という年金控除の元々の目的からも逸脱しているとみて、収入の多い人の「公的年金控除」を縮小していこうと考えているようです。

参考)公的年金等の具体的な所得金額の計算方法は次の通りです。

*公的年金等とは、厚生年金保険、国民年金、共済組合、恩給、厚生年金基金、国民年金基金などです。

「公的年金等にかかる雑所得の金額」
=「その年に受け取る年金額(*)」-「公的年金等控除額」

  • 公的年金等控除額は、下表のように年齢と受け取る年金額に応じて異なります。

*「受け取る年金額」とは、社会保険料などが控除される前の合計年金額です。

年金を受け取る人の年齢 受け取る年金額(A) 公的年金等控除額
65歳未満 130万円未満 70万円
130万円以上410万円未満 (A)×25%+37万5千円
410万円以上770万円未満 (A)×15%+78万5千円
770万円以上 (A)×5%+155万5千円
65歳以上 330万円未満 120万円
330万円以上410万円未満 (A)×25%+37万5千円
410万円以上770万円未満 (A)×15%+78万5千円
770万円以上 (A)×5%+155万+5千円
 《計算例》65歳未満の方で受け取っている年金額が80万円の場合
80万円 - 70万円 = 10万円
(受け取る年金額) ー (公的年金等控除額)
= (申告書に記入する年間所得見積額)

高齢社会を迎え、保険医療や介護、年金制度の財政は非常に厳しい状況となっております。そのため、国としては負担の増加を求めたいところですが、一方生活者である高齢者の方でも、皆さんが余裕のある生活をしているわけではありません。負担と給付の在り方をどう考えるか?世代間の負担の割合をどう考えるか?など、悩ましい問題が噴出しており、来年以降も引き続き議論されていくと思われます。せめて新年ぐらいは笑顔で迎えたいものですね。ありがとうございました。

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高濱 光暢

高濱 光暢

社会保険労務士・FP・相続アドバイザー いつも笑顔で! 高濱社会保険労務士・FP事務所 大阪市東淀川区菅原1-8-4 MAIL : sharousi-nobu@bird.ocn.ne.jp TEL .080-4492-6434 社会保険労務士業として公的年金関連の相談業務、またFP業として個人のライフプランや各種税金や制度に関するアドバイスを行います。特に相続税のことはご相談ください。
高濱 光暢

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