すまいるポスト

a0002_012011_m 高濱さんNo1

コラム

公的年金(国民年金、厚生年金)は必要です!①

初めまして、高濱光暢と申します。すまいる広場のアドバイザーに加えていただきました。よろしくお願いいたします。

私は社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー(以下、社労士・FPと表記)として個人の相談や役所での無料相談の相談員などをさせていただいております。その他幅広くお仕事をしていますが、今後の記事でおいおい紹介させていただきます。
私の拙い経験から、今回は遺族年金のお話をさせていただきます。社労士・FPとして開業して一番最初に依頼を受けたお仕事が、“遺族年金の支給申請をする”ことでした。

ある養護老人ホームに入居されているご婦人からでした。夫が亡くなったので、遺族年金の請求ができると聞いたのだが、できますか?ということでその施設までお話を聞きに行きました。かなりのご高齢でしたが、ご主人を亡くしても気高にご自分でしっかりと対応していただきました。
ただ大変焦っているとのことで、急ぎ動いてほしいということでした。どういうことかというと、このご夫婦は子供とも疎遠となり頼るべき家族知人もあまりいないとのことで、数年前にご実家や財産などを処分し老後のお世話をしてくれる養護老人ホームに入居しました。そして毎月の費用はご夫婦に支給される老齢年金で賄われていました。
しかし夫が亡くなったため、お二人の世帯としての老齢年金が大きく減らされることとなり、居住している施設の費用を支払えなくなるおそれがあるということでした。「支払えなくなって、追い出されたらどうしよう?」「とても不安です」お話を聞いた私はその日のうちに各行政機関を回るなど迅速に行動しました。

ここで簡単に公的年金制度について説明いたします(下記図1を参照)。

まず20歳になれば国民年金に加入することになります(第1号被保険者.図1)。その後会社に就職すると厚生年金に加入します。基礎年金の上乗せ(2階部分)として設定されます(第2号被保険者.図1)。さらに結婚したことにより会社員の配偶者となれば、保険料負担なく国民年金に加入することになります(第3号被保険者.図1)。
また公的年金には老後にもらえるもの(原則65歳以上から支給)以外に、障害を負って働けなくなった場合にもらえる障害年金、一家の大黒柱が亡くなった場合にその遺族に支給される遺族年金があります。(図2を参照)
このように国民全員で支えあう国民皆年金とし、老齢、障害、死亡により収入が減少する場合の各ライフステージに応じた補償の制度を確立することで我々国民は安心して生活を送ることができます。

図1
高濱さん170720図1※金額は現在の価値での試算で、今後の経済状況等により変動することもあります

図2
高濱さん170720図2
厚生労働省のHPより

今回のご婦人のケースは、亡くなった夫が学校卒業後、定年まで会社勤めをしており(第2号被保険者)、ご婦人は結婚後家庭に入り専業主婦となり夫の扶養に入ってきました(第3号被保険者)。そして老後を迎え、夫の厚生年金(上乗せ部分)と国民年金(基礎部分)、ご婦人自身の国民年金(基礎部分)を世帯として受給されている状況でした。

※今回の事例のご婦人の状況に統計データを加味したモデルケースとして説明します。

ざっくりとした金額でいうと(月額)、
夫の厚生年金:16万円
夫の国民年金:6万円 ご婦人の国民年金:6万円
合計28万円でお二人の施設での費用と生活費をまかなっていました。

ご相談内容は、夫が亡くなったため、夫に支給されていた厚生年金と国民年金がなくなり、ご婦人の国民年金のみで生活していかなければならいのか?ということでした。そうなるととても施設の費用を賄えるほどの年金はもらえないので、施設を追い出されるのではないか?不安に感じておられるということです。

夫が亡くなったことにより、16万円と6万円の支給額がなくなるため、ご婦人の6万円のみの年金となってしまいます。しかしこれでは生活できませんね。

公的年金制度では、もちろんこんな残酷なことにはなりません。亡くなった夫の厚生年金の3/4が遺族年金としてもらえます(原則)。

夫の厚生年金:16万円×3/4=12万円
ご婦人の年金合計:
12万円(遺族年金)+6万円(自身の老齢年金)=18万円
これで何とかおひとりの施設費用と生活費は賄えることになります。

以上のような説明をさせて頂き、迅速に遺族年金の支給申請を行い、支給されることになりました。もちろんご婦人が路頭に迷うということもなく引き続き、この施設で生活していけるようになりました。「良かった、良かった」「ありがとう!」と感謝の言葉をかけていただきました。

さて、このように国民の生活保障として年金制度があるわけですが、対象となるご本人が申請をしないともらえないということです。待っていてももらえません。
そしてもっと大事なことは若いうちからしっかりと働き保険料を支払ってきたことが大事です。公的年金といっても保険ですから、当然に負担もあります。それが働いていた時に給料から天引きされていた社会保険料のことです。社会保険料は高いというけれど、この社会保険料を若いうちからしっかりと支払っていたので、老後に生活を賄えるだけの年金がもらえるということです。

今回のご夫婦は、公的年金がしっかりあるので路頭に迷うことなく老後も安心して生活できるわけですが、役所の無料相談ではそもそも年金がもらえないので、老後になって非常に厳しい生活を強いられている方の相談にもよく乗ります。老後に働き口もなく、さらに年金の収入もないとなれば皆さんはどうしますか?次回は公的年金制度を取り巻く状況などのお話をしたいと思います。

次回もよろしくお願いいたします。

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高濱 光暢

高濱 光暢

社会保険労務士・FP・相続アドバイザー いつも笑顔で! 高濱社会保険労務士・FP事務所 大阪市東淀川区菅原1-8-4 MAIL : sharousi-nobu@bird.ocn.ne.jp TEL .080-4492-6434 社会保険労務士業として公的年金関連の相談業務、またFP業として個人のライフプランや各種税金や制度に関するアドバイスを行います。特に相続税のことはご相談ください。
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